Camouflage...
( 迷彩 / 椎名林檎×斎藤ネコ )




椿が落つる赤よ紅
よだかの児戯にも似て
凛と咲くや大和撫子
ややも鳴く五月雨や
濃密な桜のにほゐに埋もれ
虚わぬ心が揺れに揺れて
おれは酔狂なのさ
待ち人は夢の佳境でも来ず


濡れ雪に寂しげに咲くや柊よ
座敷牢で共に死なないか
美しい追憶が汚れないうちに
初心に口吸いは甘けれ
拝啓で始まる懺悔を
曼珠沙華は匂ふに紅く
花は縊るべく悩ましい
桜は咲くのさ、この世の限り


惜しめどもう帰らぬ温度の愛しさや
うつし世の桜花を謳歌
赤ひ糸は艶やかに意図しけり
到来する真夏の悲鳴を聞け
剥いだ柔肌の熱きことよ
ふたりぼっちの影法師
儚くも虚ろわざる想いあれ
黒猫一匹、黄昏るる


薄暮れなゐの夕闇に
袖にさめざめと濡れゐく慕情
夕まぐれに黄昏るとこしへの
その双眸、涙こそ落つるなかれ
罪深き思ゐ出によく似て
さざ波も荒れるほどにこゝろも
諦観と怠惰に委ねた日々の青さ
女に生まれた地獄