三度の嚔は色恋沙汰
惚れた腫れたの秋の空
嫌よ厭よと唇を盗って
泣けど喚けど俎上の恋
梅こぼれ牡丹くずれ椿落つ
うつくしき白痴
薄暗い愛情に模した殺意
愛らしく稚拙に罵れよ
生温い絶頂を召しませ


酷薄な天国と濃厚な地獄
楽園に酷似した監獄
誠実な嘘と不純な真実
醜い光と麗しい闇
可憐な詩と華美な小説
隠微なる淫靡
清らかに猥褻
優雅なる傲慢
唇に不実を、指先に誘惑を


贅沢な不幸をあげよう
かわいそうな花を愛で
可愛らしく懺悔してごらん
髪結えど想いは解かれ
制服を征服したいお年頃
靴を舐めれないなら、椅子におなり
柔らかに息絶えた感情を呼べ
嗜みましてはディナーの後
恋だと嘲笑えばいいさ




愛しいおまえが好いてくれぬのなら、この薬指は不要さね